Nostalgic Kitchen

過去を愛しちゃ悪いかよ。な懐古厨のブログ。おもちゃ修理とか。

初代ポケモンずかん(2台目)を修理する。その2

こんにちは。おもちゃの修理屋です。

前回に引き続き、ポケモンずかんの修理をやっていきます。

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前回の記事はこちらから。
初代ポケモンずかん(2台目)を修理する。 - Nostalgic Kitchen

進捗状況

前回までの進捗をおさらいすると、

  • 液晶が真っ黒 → 直った!
  • 音が全く出ない → 無意味なノイズなら鳴るようになった!

という状況です。音が出ない問題の調査を続けましょう。

音が出ない問題を調査する

スピーカーは前回新品に交換したので問題なしのはずです。じゃあ故障箇所はどこでしょう。

あちこち調べたところ、結論としては、2枚の基盤を繋いでいるフラットケーブルが外れかかっているのが原因と判明しました。

黄色い枠で囲った部分がそれです。

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見ての通りフラットケーブルの両側がハンダづけされていますが、こいつ、繋がっているように見えて実は接触されていないようです。外見詐欺か

手で基盤の角度を微妙〜に動かしてやると、たまに通電するポイントがあるので、完全に千切れてはいない模様。しかし、またここかよ......(※1台目を修理するときもここが千切れて苦戦しました)。

構造上、ポケモンずかんを分解するときにはどうしてもここに負荷がかかってしまうので、問題が起きやすいようですね。まあふつうは分解すること前提で作らないので仕方ないと思いますけど。

ケーブルを交換する

ともかく原因箇所が判明したので直していきましょう。

1台目のときはフラットケーブルの片側だけが外れていたので片側だけハンダづけをやり直しましたが、今回は両側とも接触が怪しいです。
ということで、フラットケーブルを完全に外して別のケーブルに差し替えます(フラットケーブルを再利用しないのは一度外すと長さが足りなくなるから)。

では、やっていきます。

まずフラットケーブルのハンダを熔かして外したのち、ハンダ吸い取り線やら細い針金やらを駆使して基盤に残ったハンダを除去します。

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できました。

こう書くとあっさりしてますが、この作業に40分くらいはかかってます。

次。新しいケーブルを用意します。

フラットケーブルは丁度良いのがなかったので普通の単線を20本使います。元のケーブルの芯線が0.2mmだったので同じ太さのものを用意しました。

これをそれらしい長さにカットし、両端の被覆を剥きます。

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ワイヤストリッパを持っていないのでカッターでちまちまやりました。ひたすら単純作業で心が無になります。ワイヤストリッパ欲しいよぅ。

で、出来上がったこのケーブルを基盤にハンダづけし、

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今度は千切れないようにグルーガンで補強したらば、

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ケーブルの交換は完了です!

基盤剥き出しのまま電池を繋いで動かしてみると、ちゃんと音が鳴るようになったことを確認できました。やったー!!

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(※画像じゃ音が鳴ってるかは伝わらないですが、ちゃんと鳴ってます)

最終確認

さて、ひと通りの修理を終えたので、再組み立てしたものがこちらです。

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改めて結果を確認すると、

  • 液晶が真っ黒 → 直った!
  • 音が全く出ない → 直った!

ということで、大成功でございます。良かった良かった。苦労した甲斐がありました。

さいごに、今回の修理に使った道具たちを紹介しておしまいとします。

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......いつの間にこんなに道具が充実したんだろう。なんか気付いたら増えてました。次はワイヤストリッパを買いたいです(切実)。

では、またいつか。

初代ポケモンずかん(2台目)を修理する。

こんにちは。おもちゃの修理屋です。 今日の修理対象は、またもや初代ポケモンずかんです。

今回直すのは以前直したのとは別の個体でございます。2台目です。

1台目の修理記事はこちらから。
初代ポケモンずかんを修理する。

初期状態

初期状態はこんな感じです。

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  • 液晶が真っ黒
  • 音が全く出ない

画面が真っ黒なのは経年劣化によるビネガーシンドロームなので、いつも通り偏光板の交換で直りそうです。

音が出ない問題は、うーん、開けてみないと分かりませんね。

まずは分解する

とりあえず分解します。

ポケモンずかんは中々ややこしい構造をしているので、前回修理するときにドライバーが入りづらくて難儀しました。

そこで今回は短めのドライバーを用意して臨みます。 f:id:Michael_800:20210228230446j:plain

この準備が大正解でした。狭いところでも作業がしやすい。
分かりますかこのドライバーの長さの違い。 f:id:Michael_800:20210228230450j:plain

さて、ある程度バラしたところで、おもちゃの修理屋、とあることに気づきました。

じゃじゃん。問題です。こちらは外したバネ部品ですが、違和感はなーんだ? f:id:Michael_800:20210228230453j:plain

答えは、不自然に折れ曲がっている、です。分かるでしょうか。正常版を見たことある人にしか分かんないかも。

これの意味するところは、つまり、以前に誰かが分解している、ということです。
中身が破壊されていたらどうしようと一瞬不安がよぎりましたが、基盤のネジまでは外された形跡がなかったので、どうやら問題なさそうです。

よかった。この辺りのドキドキも中古おもちゃ修理の醍醐味と言えます。

スピーカーを交換する

さて、まずは音が出ないということなので、スピーカー部分に注目してみます。

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断線はしていませんね。ふむ。

とりあえず新しいものに交換してみましょう。サイズの合う新しいマグネットスピーカーを用意して、 f:id:Michael_800:20210228230431j:plain

元々のスピーカーを外し、 f:id:Michael_800:20210228230415j:plain

新しいスピーカーをハンダづけします。 f:id:Michael_800:20210228230427j:plain

ここまでで、ひとまず動作確認。

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完全無音から、何か音が出るようになりました。しかしザザーッと鳴るだけで意味のある音ではありません。

はてなブログは直接動画をアップできないので画像だけ。肝心の音が分からんですが許してくださいね)

これスピーカー以外もどこか壊れてんな。あとで確認するとして、一旦次に行きます。

偏光板を交換する

音が出ない問題は放置して、先に画面の方を直しましょう。

先ほどの状態からさらに分解して液晶を取り外します。 f:id:Michael_800:20210228230741j:plain

偏光板を力技でひっぺがし、 f:id:Michael_800:20210228230752j:plain

強力シール剥がし剤を塗ってしばらく放置(※この工程だけ写真撮り忘れました)。

待っている間に新しい偏光板をカットし、画面の位置に合わせて貼り付けます。 f:id:Michael_800:20210228230748j:plain

で、シール剥がし剤が馴染んだところでヘラでガリガリやること十数分。

液晶部品が綺麗になりました。 f:id:Michael_800:20210228230744j:plain

偏光板の交換はこれで完了です。

次回につづく

ここまでの進捗は以下の通りです。

  • 液晶が真っ黒 → 直った!
  • 音が全く出ない → 無意味なノイズなら鳴るようになった!

やれやれ。まだ道半ばくらいでしょうか。長くなりそうなので今日はここまでとします。

なくさないように、分解したパーツは整理して置いておきましょう。 f:id:Michael_800:20210301000927j:plain

では、つづきはまた次回。

Nintendo 64 コントローラーパックを修理する。

こんにちは。おもちゃの修理屋です。

本日はNintendo 64ソフトの修理記事につづいて、2度目の投稿になります。たまには連投することもあるのです。

前回の記事はこちらから。
Nintendo 64 どうぶつの森を修理する。

前回のあらすじ

どうぶつの森ソフトの電池交換に成功し、ご機嫌で遊んでいた修理屋、途中でコントローラーパックが必要なことを思い出す。

が、コントローラーパックも電池が切れていて使えないことが判明!

ボタン電池を交換する

......なんて、大層な煽り文を書きましたが、これまでの記事を読んでいる皆さん(そんな奇特な方がいるのか知りませんが)ならご承知の通り、ボタン電池の交換はかなりイージーな部類の修理です。

サクッとやっていきましょう。

まずはこいつを分解します。 f:id:Michael_800:20210221131951j:plain

分解しました。あ、コントローラーパックも特殊ねじなので、専用ドライバーが必要です。 f:id:Michael_800:20210221131947j:plain

例によってボタン電池を固定しているハンダを吸い取り、ボタン電池を外し、 f:id:Michael_800:20210221131959j:plain

新しいタブ付きボタン電池をハンダ付けします。 f:id:Michael_800:20210221132003j:plain 裏返すとこんな感じです。 f:id:Michael_800:20210221131955j:plain

はい、できました。おわり。

動作確認

前回直したどうぶつの森ソフトで動作確認といきましょう。

残念ながら令和の今となっては64のどうぶつの森をプレイしている友達はいないため、他の村へのお出掛けはできません。

ということで手紙の保存で確認していきます。ちょうど母からお誕生日おめでとうの手紙が届いていました。これをぺりこ姉さんに頼んで保存してみます。

どうぶつの森では母から手紙が届きますが、私はあの手紙はぜんぶ大事にとっておくタイプです。遠方で暮らす子を気遣ってくれる母からの手紙を捨てるようなことはできません。捨てるひとは人でなしです)

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無事に保存できました。めでたし。

おまけ

村の掲示板にちょっと面白い書き込みがあったので、おまけで画像をアップしておわりにします。

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ぺりお君にはがんばってほしいですね。

それでは、またいつか。

Nintendo 64 どうぶつの森を修理する。

こんにちは。おもちゃの修理屋です。

今日はNintendo 64の人気ソフト、どうぶつの森の修理について書きます。

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初期状態

きちんと起動してセーブもできる、割と状態のよいソフトです。 が、ゲーム内の時計が止まってしまっております。

調べたところこれはソフト内のボタン電池が切れているのが原因とのこと。 ということで、今回はボタン電池の交換をしていきます。

ボタン電池を交換する

まずはいつも通り分解します。

ばらして、 f:id:Michael_800:20210221125451j:plain ばらして、 f:id:Michael_800:20210221125448j:plain ばらばらになりました。 f:id:Michael_800:20210221125454j:plain

基盤を裏返すとこんな感じ。

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赤丸の部分がボタン電池をくっつけている箇所です。

ここのハンダを吸い取ってボタン電池を外し、 f:id:Michael_800:20210221125459j:plain

新しいタブ付きボタン電池を差し込んでハンダ付けします。 f:id:Michael_800:20210221125517j:plain

できました。裏側はこうなってます。 f:id:Michael_800:20210221125506j:plain

あとは粛々と再組み立てして完了です。

動作確認

簡単な作業でしたが、一応動作確認していきます。いざ起動。

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はい。懐かしの画面です。 無事に時計が直っていることも確認できました。やったぜ。

で、満足して楽しく遊んでいたのですが、しばらくして手紙の保存と別の村へのお出掛けにはコントローラーパックが必要だということを思い出しました。

コントローラーパック、探したらありました。が、これもどうやら電池切れのようです。

ということで、次回はコントローラーパックの電池交換をやっていきます。

今回はここでおしまいです。また次の記事で。

あるくんですを修理する。

こんにちは。おもちゃの修理屋です。

今日はややマイナーなおもちゃ「あるくんです」を修理してみたいと思います。

「あるくんです」はドラゴンクエストの万歩計です。腰につけて歩くとスライムが育ちます。ミニゲームとかもあります。

たまごっちとポケットピカチュウのあいの子みたいな、そういうおもちゃです。 ここのWikiで大変詳しく説明されているので興味のある方はどうぞ。

初期状態

ジャンク品として入手しました。購入時の記載によると、発売当時に遊んだっきりでその後は動作未確認とのこと。やりがいがありそうです。

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背面にはベルトに引っ掛けるためのツメがあります。中古だとこれが折れてる個体がまあ多いので、ツメが無事なのは重要ポイントです。

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たぶんこのツメが折れてたら買わなかったな。

調査開始

とりあえず電池ボックスの蓋を開けてみました。

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さっそく嫌な予感がします。なんでって?電池が入ったままだからですよ!

あるくんですは1998年発売。前の持ち主がいつまでこれで遊んでいたのかは知る由もありませんが、この電池は下手すると20年くらい入れっぱなしということになります。

そういうおもちゃはかなりの確率でとある問題を抱えているのですが......

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ほ〜らやっぱりね!電池ボックスがサビサビですよ!

予想通りの有様でした。見えますかこのミドリに染まった金具。ブルータスお前もなのか。

電池ボックスを清掃する

このままだととても通電してくれそうにないので、清掃して綺麗にします。 とりあえずバラしましょう。

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↑バラして、

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↑バラして、

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↑バーラバラ〜。精密ドライバー1本でいけました。

実は電池ボックスの掃除だけならここまでバラす必要ないのですが、どうせなら全体クリーニングしようと言うことでバラッバラにしました。

なお、写真では分解した「あるくんです」の下に謎の白い物体が写っていますが、これは3DSです。 3DSが入ったおもちゃ箱の上で作業してるので写っちゃってます。以上どうでもいい情報でした。

で、電池が触れる部分の金属を取り出したものがこちらです。

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↑サビサビ。こいつを磨きます。

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↑磨きました。

完全には綺麗にはなりませんが、通電には支障ないレベルでしょう。同様のパーツがあと3つあるので同じく磨いて、この作業はおしまいです。

基盤を清掃する

つづいて基盤もクリーニングします。ボタン接触部分(赤矢印の先)を接点復活剤で磨きました。

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これで基盤のクリーニングもおわりです。

が、せっかくバラしたので、少し観察してみます。裏返して歩数カウントの機構を見てみましょう。

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みたところ、歩数カウントの仕組みは振り子式です。

細い赤線で囲った部分が振り子で、これが上下に動きます。赤矢印の先にある細い線は、小さな振動でも歩数がカウントされるようにするためのバネになる針金です。

このブログによく出てくる万歩計おもちゃ、ポケットピカチュウカラーの基盤と比較してみます。

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ポケットピカチュウも、赤枠部分が振り子、赤矢印の先がバネになる針金です。 同じ構造になっていることが分かりますね。

動作確認

少し脱線しましたが、組み立て直して動作確認といきましょう。

新しい電池を入れて、いざ起動。

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お!なんか出た!

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バッチリ動きました。 音も鳴るしボタン操作も歩数カウントも問題なしです。

案外あっけなかったですね。 ただし、遊び方がまったく分かりません。これどうしたらいいんだろう。

とりあえず、しばしポケットピカチュウと共に腰につけてお散歩してみます。何か起こることを期待して。

では、またいつか。

ゲームボーイポケットを修理する。

こんにちは。おもちゃの修理屋です。

今回は少し前にやったゲームボーイポケットの修理について書きます。

初期状態

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  • 画面: 謎の汚れ(外から拭いても取れない)
  • Aボタン: 反応しない

電源も入るし音も鳴るので、この2点以外は状態良しと言ってよいでしょう。やや難あり個体といったところです。

ではさっそく修理に移りましょう。

画面の汚れを解消する

まずは分解。ゲームボーイポケットは外装のネジが特殊なのでY字ドライバーを使います。

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↑1段階、分解されました。 ここから先は普通のプラスネジなので、プラスドライバーが使えます。

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↑さらに分解したようすがこちら。 ここまでバラせば十分です。

基盤を裏返すと液晶部品があります。2段階バラしたので、もう直に触れる状態です。

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外装の隙間からホコリでも入ったのでしょうか。汚れを拭き取り、

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はい、これで終わりです。綺麗になりました。

Aボタンが効かない問題を修理する

つづいてAボタンの修理です。 ボタンの背後にあるゴムパーツを取り出してみたところ、

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Aボタンの根本にあたる部分が千切れていました。

道理でなんか押したときの感触が変にベコベコしていたわけだ。こんなとこ破れることあるの?どれだけAボタンの連打ゲーをやったの?

ゲームボーイポケットは他にも何台かもっているので、別の個体からパーツを調達しても入れ替えてもよかったんですが、勿体ないので、破けたパーツの修復を試みます。

みんな大好きアロンアルファ

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ちょちょいと塗ってくっつけて見たところ、何の問題もなく接着されました。

ありがとうアロンアルファ。いつもお世話になっています。頼りにしてるぜ。

動作確認

さて、簡単でしたが、今回の修理作業は以上でおしまいです。

再組み立てしたようすがこちら。ドドン。

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  • 画面 → 綺麗になりました!
  • Aボタン → 復活しました!

ということで、今回も全勝です。

Aボタンは応急処置みたいなものなので、また連打ゲーをしたら壊れてしまう可能性はありますが、今のところは押した感触も正常。しばらくはこれでもってくれそうです。

ゲームボーイポケットは現時点であと2台(今後また増える可能性大)もっているので、そいつらの修理記事もいつか書きたいですね。

それでは、またいつか。

ポケットピカチュウを修理する。

こんにちは。おもちゃの修理屋です。

今日の修理対象はポケットピカチュウです。

以前ポケットピカチュウカラーを修理しましたが、今日はカラーではない初代の方を修理していきたいと思います。

以前の記事はこちらから。
ポケットピカチュウカラーを修理する。

初期状態

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中古で入手したものですが、ほぼ動作品です。難点は2つあって、

  • 十字キーの上が反応しない
  • 腰につけて歩いても歩数がカウントされない(ただし手に持って力一杯シェイクするとカウントされる)

といった状態です。 こいつを修理していきます。

歩数がカウントされない問題を調査する

とにもかくにもまずは分解です。

ポケットピカチュウのネジはすべて同じサイズなので、精密ドライバー1本で開けられます。

まずは一段階、分解したようすがこちら。

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一見なんの異常もないようですが、そこはポケットピカチュウカラーを何度となく分解してきた百戦錬磨の修理屋、ひと目で問題箇所に気づきました。

パーツが足りない

......これだけではまったく理解できないと思いますので説明します。

まず、以前修理した、完全動作品のポケットピカチュウカラーの内部をご覧ください(ポケットピカチュウポケットピカチュウカラーのつくりはほとんど同じです)。

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赤い矢印の先に、細い針金がありますね。

ポケットピカチュウの歩数カウントの仕組みを少し説明すると、上部にある黒い横長の(すこし拳銃っぽい形の)部品が振動で上下に動くことによって電流がどーのこーのし、歩数がカウントされます。

この針金はというと、黒い部品が動くときのバネの役割を果たしています。バネがあることにより、ごく軽い振動でも歩数がカウントされるようになるのです。

問題のポケットピカチュウの写真をもう一度見てみましょう。

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針金がありません

これは、前の持ち主が分解したときに部品を紛失してしまっているパターンだと思われます。中古おもちゃあるあるです。

(なお、この針金、分解するときにちょっと変な方向に力をかけただけでもピョンと飛んでいってしまうという、大変失くしやすいパーツです。修理屋も以前うっかり紛失し、数十分かけて探し回る羽目になりました。)

バネが欠損しているわけですから、力一杯シェイクしないと歩数がカウントされないのも当然でございます。

針金部品を作る

紛失されてしまったものは仕方ないので、新しく作ることにします。

まず動作品のポケットピカチュウカラー から針金を取り出し、サイズ測定。

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太さ0.1mmだと分かったので、同じ太さの針金を用意し、

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ラジオペンチを使っていい感じに折り曲げて同じ部品を作ります。

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できました。 上がポケットピカチュウカラーから取り出した正規品、下が修理屋お手製の品です。

ちょっとグニャグニャしてますが細かいことを気にしてはいけません。0.1mmの針金なんて人の指先で綺麗に加工できるものではないのです(開き直り)。

こいつを本来針金があるべき場所にはめ込みます。

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できました。

ボタンが反応しない問題を修理する

次に十字キー上ボタンが反応しないのを修理します。

こういうのはどうせ接触不良なので、ちょちょいとクリーニングするだけです。

先ほどの状態からさらに分解し、

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基盤を接点復活スプレーで磨きます。ゴムパーツ側も清掃します。

動作確認

修理は以上で完了です。

見た目には何も変化ありませんが、一応修理後の姿を載せておきます。

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さて、動作確認したところ、

  • 十字キーの上ボタン → 復活!
  • 歩数カウント → 復活!

ということで、はい、全勝でございました。 扱い慣れたおもちゃの修理は楽でいいですね。

おまけ

ポケットピカチュウはたくさん歩くとコイン?が貯まるのですが、貯まったコインはピカチュウにプレゼントすることができます。

これは0コインから贈ることができるので、試しに0コインをプレゼントしてみたところ、

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完全にふざけんなてめーといった表情で舌を出されました。可愛いですね。

では、今回はこの辺で。またいつか。