あるくんですを修理する。
こんにちは。おもちゃの修理屋です。
今日はややマイナーなおもちゃ「あるくんです」を修理してみたいと思います。
「あるくんです」はドラゴンクエストの万歩計です。腰につけて歩くとスライムが育ちます。ミニゲームとかもあります。
たまごっちとポケットピカチュウのあいの子みたいな、そういうおもちゃです。 ここのWikiで大変詳しく説明されているので興味のある方はどうぞ。
初期状態
ジャンク品として入手しました。購入時の記載によると、発売当時に遊んだっきりでその後は動作未確認とのこと。やりがいがありそうです。
背面にはベルトに引っ掛けるためのツメがあります。中古だとこれが折れてる個体がまあ多いので、ツメが無事なのは重要ポイントです。
たぶんこのツメが折れてたら買わなかったな。
調査開始
とりあえず電池ボックスの蓋を開けてみました。
さっそく嫌な予感がします。なんでって?電池が入ったままだからですよ!
あるくんですは1998年発売。前の持ち主がいつまでこれで遊んでいたのかは知る由もありませんが、この電池は下手すると20年くらい入れっぱなしということになります。
そういうおもちゃはかなりの確率でとある問題を抱えているのですが......
ほ〜らやっぱりね!電池ボックスがサビサビですよ!
予想通りの有様でした。見えますかこのミドリに染まった金具。ブルータスお前もなのか。
電池ボックスを清掃する
このままだととても通電してくれそうにないので、清掃して綺麗にします。 とりあえずバラしましょう。
↑バラして、
↑バラして、
↑バーラバラ〜。精密ドライバー1本でいけました。
実は電池ボックスの掃除だけならここまでバラす必要ないのですが、どうせなら全体クリーニングしようと言うことでバラッバラにしました。
なお、写真では分解した「あるくんです」の下に謎の白い物体が写っていますが、これは3DSです。 3DSが入ったおもちゃ箱の上で作業してるので写っちゃってます。以上どうでもいい情報でした。
で、電池が触れる部分の金属を取り出したものがこちらです。
↑サビサビ。こいつを磨きます。
↑磨きました。
完全には綺麗にはなりませんが、通電には支障ないレベルでしょう。同様のパーツがあと3つあるので同じく磨いて、この作業はおしまいです。
基盤を清掃する
つづいて基盤もクリーニングします。ボタン接触部分(赤矢印の先)を接点復活剤で磨きました。
これで基盤のクリーニングもおわりです。
が、せっかくバラしたので、少し観察してみます。裏返して歩数カウントの機構を見てみましょう。
みたところ、歩数カウントの仕組みは振り子式です。
細い赤線で囲った部分が振り子で、これが上下に動きます。赤矢印の先にある細い線は、小さな振動でも歩数がカウントされるようにするためのバネになる針金です。
このブログによく出てくる万歩計おもちゃ、ポケットピカチュウカラーの基盤と比較してみます。
ポケットピカチュウも、赤枠部分が振り子、赤矢印の先がバネになる針金です。 同じ構造になっていることが分かりますね。
動作確認
少し脱線しましたが、組み立て直して動作確認といきましょう。
新しい電池を入れて、いざ起動。
お!なんか出た!
バッチリ動きました。 音も鳴るしボタン操作も歩数カウントも問題なしです。
案外あっけなかったですね。 ただし、遊び方がまったく分かりません。これどうしたらいいんだろう。
とりあえず、しばしポケットピカチュウと共に腰につけてお散歩してみます。何か起こることを期待して。
では、またいつか。